個人的博物館は一種のオンライン博物館です。
剥製や骨格模型を展示する替わりに、写真を展示しています。原則として、展示している写真はすべて、私達が国内外の旅先や家の近所で実際に出会った生物を撮影したものに限定しています。 見つけたものを分類し陳列する方法論や意志は博物学的ですが、一方で展示棚を裏側から眺めると、個人的な選択、出会い、体験や記憶の堆積以外の何物でもないので、このサイトは「個人的博物館」と命名されました。
私達はバードウォッチングや動物観察が好きですが、特定のものを見に特定の場所に行ったり、見た種類の数を数えたりということは原則としてしません。 また、餌や録音機で動物を釣り出すようなこともしません。ただ旅行に行って、あるいは家の近所で、トコトコと歩き、道中で生き物に出会ったら、よろこび、挨拶をし、できれば語りかけながら、肖像写真を撮ります。 陳列されているのはそういう交友録のような写真群です。 ですから、野生の鹿も、犬っころも、ゴキブリも、熱帯蝶も、カラスも、収録済みの種類に属する別の個体も、特に分け隔てせず、皆、同列に扱っています(方針の詳細は各ページの右上の [+] アイコンをクリックするとご覧になれます)。
こんな具合に、写真至上主義者でもなく、また希少種ハンターでもありませんので、すばらしく精緻な図像が見られるわけではなく、また網羅的な図鑑としても役に立たないことでしょう。私たちとしては、このプロジェクトを通じて、出会いの喜び、分類の愉しみ、そして世界のほころび目が見えるかも知れないというある種の高揚感が伝われば、と思っていますが、あるいはせめて、人間、結構ヘンなものに出会っているもんだな、とでも思っていただければ幸せです。そう、変なものが結構好きなのです。
願わくば、ある日、どこか世界の果ての山道ででも、向こうから、トコトコと、あるいはパタパタと、啓示のように異形のモノがやってきて、やぁと挨拶すると立ち止まり、一枚写真を撮るとにっこりとして何事もなかったかのように去っていく。そんなことがあればよいな、と思いつつ、地べたを這い回る毎日が続きます。
この本館は、以下のセクションに分かれています。
菌類と植物が一緒になっていたり、鳥が爬虫類から出ていたり、五界説にすら達していないのですが、イメージは大昔の博物館ということでご容赦下さい。画像をクリックするとそれぞれのセクションに移動します。2024年6月の時点で、鳥類・哺乳類・植物の三つの部が新フォーマット に移行しています。
別館や出張所もあります。
今ご覧になっているのが博物館の「本館」ですが、この他にブログ形式の別館(Wildlife Portrait Archive)があります。別館では、野生生物の肖像をテーマにして、それぞれの種についてより大判の写真を展示しています。同じ Museum ではありますが、少し美術館寄りのアプローチになっています。
博物学・博物館から離れた、純粋に美術館の仕事として、Ello にもアートワークを出していたのですが、Ello のサービスが停止してしまったので、この方面はいま停止中です。
さらに、Facebook にページを設けています。Facebook ページの内容はほぼ上記別館ブログへのリンクですが、動画など、ほんの少しだけ独自のコンテンツも置いています。
個人的博物館本館はただいま全館改装中です。
ログハウスでも建てるみたいに、気長に少しずつ、改装作業を行っています。あちこちに未改修の部分がありますが、気長にお待ちください。現在は、哺乳類の同定見直しや写真の再発掘などがひと段落し、鳥のコンテンツを追加しつつ、昆虫の部の整備を進めていたのですが、そこで気が変わって(笑)、植物に転進し、このたびめでたく公開しました。昆虫などにもメドが立った時点で、全体の構成についても、より分類学の知見に沿った形にしたいな、と思っています。(2024/06/23現在)
展示室の改装の実施状況
作品の展示そのものの進捗状況
ただ部屋ができても、肝腎の写真の掲載が全然進んでいない、という困った状況があります。これは、部屋の整備と並行して、少しずつ進めていますが、現状はこんな感じです。現時点では、植物に注力しています。(2024/09/03現在)